言葉の花束　教育長メッセージ

最終更新日：2025年5月21日

『未来を生きる子どもたちへのメッセージ』（62）

『広瀬武夫という人について』

　私の幼い頃（幼稚園から小学校低学年）の記憶に、近所に住んでいたお年寄りの思い出があります。そのお年寄りは正月になると帝国海軍の軍服を着て、勲章をいっぱい付け、わが家に正月の挨拶にみえました。私の頭を撫でながら、広瀬武夫中佐の話をしてくださいました。広瀬中佐は戦前（太平洋戦争）の子どもたちなら誰もが知っていた日露戦争の英雄です。旅順港封鎖の作戦を計画し、行方不明となった杉野兵曹長を救おうとして、被弾し、戦死されました。お年寄りは最後に「軍神広瀬中佐」の歌を歌って帰られました。「轟く砲音飛び来る弾丸荒波洗うデッキの上に闇を貫く中佐の叫び杉野は何処杉野は居ずや」最近、広瀬武夫という人物について、違った角度からの評価がされるようになりました。司馬遼太郎氏は『坂の上の雲』で、広瀬武夫という人を軍神という一面ではなく、ロシア人の女性を愛する国際派の平和主義者として描きました。また最近の研究者の論文では、広瀬武夫氏は筆まめな人物で、妹思いで、女性の自立・尊重を願うフェミニストであるという報告がありました。歴史学習（特に近現代史）をしていて難しいのは人物に関する評価だと思います。歴史の醍醐味でもあり、陥りやすい間違いをおかしやすいと思います。皆さんには、自分が関心をもった人物についての伝記を読んでほしいと思います。

　テレビドラマ『アンパン』のお陰で、空前のやなせたかしブームとなっています。やなせファンの私にとっては本当に嬉しい思いです。今月はやなせ氏の素敵な言葉を紹介したいと思います。

　〇何事も足元から、一歩、一歩と進むうちに、
　　必ずいい結果に向かっていくのです。

　〇いまの仕事に不満をもっていたら、天職には出会えない。

　〇絶望したとしても、必ずまたいいことがあります。
　　絶望の隣には、希望がそっと座っている。

　〇ぼくのように、あまり才能に恵まれていない者はゆっくりと走ればいい。
　　「あきらめるな!」と自分を叱咤しながら
　　眼の前の一メートルぐらいの地面だけを見て
　　走り続けるというやり方です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和7年5月1日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　津島市教育委員会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　教育長　浅井厚視

＜過去のメッセージ＞
『未来を生きる子どもたちへのメッセージ』令和4年4月(PDF:144KB)

『未来を生きる子どもたちへのメッセージ』令和4年5月(PDF:145KB)

『未来を生きる子どもたちへのメッセージ』令和4年6月(PDF:141KB)

『未来を生きる子どもたちへのメッセージ』令和4年7月(PDF:140KB)

『未来を生きる子どもたちへのメッセージ』令和4年8月(PDF:136KB)

『未来を生きる子どもたちへのメッセージ』令和4年9月(PDF:137KB)